自己肯定感を育てる!子どもを伸ばす褒め方・叱り方のポイント

はじめに

「ちゃんと褒めてるのに、自己肯定感が上がってる感じがしない…」
「叱るときにどう言えば伝わるのか分からない…」
そんな悩みを抱える保護者の方も多いのではないでしょうか。

私自身、子どもの発達と関わる学びを深める中で、褒め方・叱り方は子どもの“自己肯定感”に深く影響することを知りました。この記事では、発達心理学や脳科学的な視点をもとに、子どもを伸ばすための関わり方のヒントをご紹介します。

すぐに家庭で実践できる声かけ例もあるので、参考になれば嬉しいです✨

自己肯定感とは?

自己肯定感とは、「自分には価値がある」「自分でいていいんだ」と感じる気持ちのこと。
この感覚は、非認知能力(やり抜く力・協調性・自制心など)とも密接に関わり、学習面や人間関係にも大きく影響します。

実際、内閣府の調査でも、日本の子どもは他国と比べて自己肯定感が低い傾向があることが示されています(※内閣府「子ども・若者白書」)。

自己肯定感を育てる「褒め方」のポイント

🎯 ① 結果よりも「過程」を褒める

NG:「すごいね!満点取ったね!」
✅ OK:「毎日ちょっとずつ練習したから、できるようになったんだね」

心理学者キャロル・ドゥエックの研究によると、「能力」ではなく「努力」に注目する声かけは、成長マインドセット(失敗しても挑戦する姿勢)を育てることがわかっています。

🎯 ② 子ども自身の気づきを引き出す

✅「どうやってできたの?」
✅「そのとき、どんなふうに考えたの?」

内省を促す問いかけは、自分で考える力や達成感につながり、他人に評価されなくても自分で自分を認められる子に育ちます。

🎯 ③ 「すごいね」だけで終わらせない

NG:「えらいね〜」だけで終わる
✅ OK:「○○ができるようになって、お母さんも嬉しいな」

親の喜びを伝えると、子どもは「誰かの役に立てた」「つながっている」と実感できます。これは、**自己有用感(役に立っている実感)**の育成に重要です。

自己肯定感を守る「叱り方」のポイント

⚠ ① 感情をぶつけない

NG:「なんでそんなことしたの!💢」
✅ OK:「○○されると、困っちゃうな」「これはしてほしくなかったな」

感情的な叱責は、脳の“扁桃体”を刺激し、防衛的になってしまいます(特に3〜6歳は情動制御が未熟)。冷静な言葉で伝えることで、安全な学びの機会になります。

⚠ ② 「人格」ではなく「行動」を叱る

NG:「ダメな子ね」「意地悪しない!」
✅ OK:「おもちゃを取るのはダメだよ」「今の言い方は相手が悲しむよ」

子どもは「自分が否定された」と感じると、自己肯定感が下がってしまいます。
行動と人を切り分けることで、「やり直せる」「自分は大丈夫」という安心感が残ります。

⚠ ③ 落ち着いてから話す

✅「今は気持ちが混乱してるから、少し落ち着こう」
✅「さっきのこと、一緒に考えようか」

感情が高ぶっているときは、前頭前野(思考をつかさどる部分)がうまく働きません。叱るより、共感して落ち着く時間が先。落ち着いたあとに話すことで、本当に伝えたいことが届きます。

年齢別・伝え方のコツ

🌱 3〜4歳:「わかりやすさ」「一言で」伝える

この時期の子どもは、まだ抽象的な概念や長い説明を理解するのが難しい時期です。
脳の発達段階では、ワーキングメモリ(短期的な記憶処理能力)が未熟なため、たくさんの情報を一度に受け取れません。また、自分中心の視点から少しずつ他者の気持ちを理解し始める時期でもあります。

👉 関わり方のポイント

  • 短く具体的に(1文、1指示が基本)
  • 視覚的なサポート(指差しやジェスチャー)も効果的
  • 命令より「提案」調がスムーズに受け取られやすい

✅ 例:「お友達の順番だよ」
✅ 例:「小さい声で言ってね」
✅ 例:「おかたづけ、一緒にやろうか」

子どもが理解しやすい言葉を選ぶことで、自分で行動を選ぶ力が育ち、少しずつ自立の芽が育ちます。

🌷 5〜6歳:「理由や背景」を伝える

この年齢になると、因果関係や他者の感情を考える力が育ってきます。脳の前頭前野(考える・計画する部分)が発達しはじめ、「なぜダメなのか」「どうすればいいのか」を理解できるようになってくる時期です。

さらに、社会性の発達も進み、「相手の気持ち」や「ルールの意味」を少しずつ捉えられるようになります。
この段階では、叱るだけでなく一緒に考えるプロセスを重視すると、より深い学びに。

👉 関わり方のポイント

  • 「なぜそうなのか」を子どもと一緒に考える
  • 叱る→問いかけ→受け入れる、という対話の流れを意識
  • 結論を急がず、子ども自身の「気づき」を待つ姿勢も大切

✅ 例:「次はどうしたらよかったと思う?」
✅ 例:「もし○○くんだったら、どんな気持ちかな?」
✅ 例:「どう言えばよかったかな?一緒に考えよう」

こうしたやり取りは、自己調整力(自分の行動を見直す力)や共感力の育成にもつながり、
「言われたからやる」から「自分で考えて動ける」子へと成長を支えてくれます。

おわりに

子どもにとって、「自分は大切にされている」「見てもらえている」と感じられることが、自己肯定感の出発点です。褒めすぎる必要も、叱らないようにする必要もありません。大切なのは、子どもの存在そのものにまなざしを向けることだと感じています。

この記事が、毎日の関わりにちょっとした安心とヒントを届けられたら嬉しいです🌷

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